2011年4月23日土曜日

<東日本大震災>仙台を離れず 米国人ALT、支援に奮闘

毎日新聞 4月23日(土)11時1分配信
仙台市の県立高校で英語を教える米国人ALT(外国語指導助手)のグレッグ・レキチさん(31)は、被災地で英語教師ら約10人の仲間と一緒に家の片づけや泥かきのボランティア活動を続けている。「日本にはたくさんの友達や教え子がいる。住み慣れた街を離れようとは思いません」と話す。

 レキチさんはフィラデルフィア州の出身。大学4年で1年間日本語を学び、04年に来日した。静岡県沼津市などで英語教師をした後、07年から仙台市の県立宮城広瀬高と県工業高で指導助手を務めている。

 3月11日の地震発生時は宮城広瀬高の職員室にいた。初めて体験する大きな揺れだったが、同僚が落ち着いて誘導してくれて、校庭に避難。3時間かけて歩いて自宅アパートに帰り、インターネットで外国人仲間の安否情報を集め始めた。

 福島第1原発の事故も起き、日本に住む外国人は続々と脱出。しかしレキチさんは仙台にとどまった。原発の安全対策のエンジニアだった父から「今の状況なら、放射能のことはそれほど心配しなくていいと思う」、母親からも「心配だけれど、あなたが正しいと思うことをやりなさい」と言われ、被災者の支援に乗り出した。

 県内の教師仲間と一緒にインターネットサイト「ティーチャーズ・フォー・ジャパン」(http://www.teachersforjapan.org/Japanese.php)を作り、震災孤児への寄付を募ったり、動画サイト「ユーチューブ」に、被災地の様子を撮影した動画を投稿して、英語で状況を伝えている。また、週3~4日間、同市若林区や石巻市、多賀城市で被災した家の片づけなどをしている。

 地震の日の夜、日本人のガールフレンドと母親が心配して食べ物と水を持ってきてくれた。「彼女たちが落ち着いていたので、私もパニックにならずに済んだ。困った時に人間は助け合うものだという思いを強くした」

 5月の大型連休明けには授業が始まる。レキチさんは「いつも通り授業をすることが、日常を取り戻す手助けになるはず。アメリカ人の私がここに残ったという事実が、生徒を勇気づけられるといいと思います」と語った。【中嶋真希】

 ◇帰国者多いALT 対応に追われる派遣元

 新学習指導要領で、今春から小学生の外国語活動が必修化されたばかりだが、原発事故や余震を恐れて帰国するALTも多く、派遣元の企業や団体は対応に追われている。

 全国の自治体に年間約4000人のALTをあっせんする財団法人「自治体国際化協会」(東京都千代田区)によると、震災以降44人が学校を辞めた。半数以上は東北3県以外の学校で働いていた人だ。中には勤務先が九州だった人もいる。補充を急ぐよう各地の教育委員会から要請があり、この夏からの就労予定者に前倒しでの来日を交渉しているという。

 すべての区立小にALTを配置している東京都港区では、4月に必要な人数を確保できなかったため、新学期の英語の授業開始が1週間遅れた。

 100人以上が帰国したまま戻らなかった都内のALT派遣会社は「24時間体制で代わりを探しているが、本人が再来日したいと思っても、家族が引き留めるケースが多いようだ」と話している。【望月麻紀】
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レキチさんが語った、「アメリカ人の私がここに残ったという事実が、生徒を勇気づけられるといいと思います」の一言が真実だと思った。
震災発生後、放射能を恐れ、多くの外国人が日本から脱出した。
しかし、彼のように日本に留まり、なおかつ復興への支援をしている外国人も多い。
小学校での外国語活動に支障をきたしているとは思わぬ事態だ。
子供達も国際交流イベントを楽しみにしていたであろう。
外国人派遣・外国人紹介制度より一刻も早くALTが揃うことを望む。
就職が難しい日本だが、今なら外国人求人が多くあるかもしれない。
テレビで外国人の座談会を見たが、母国にいる家族が日本の状態を正確に把握できず、帰国を促すケースが多いとあった。
日本政府は重要な情報を国民に向け正確に発信し、それを格安英語翻訳して海外へ伝えなければならい。
そしてまた海外のメディアもいたずらに日本が危険だと煽らないで欲しい。

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